社員の業務パフォーマンスを上げるオフィスのリフレッシュスペースとは?

   
社員の業務パフォーマンスを上げるオフィスのリフレッシュスペースとは?

今、貴社の社員は生き生きと仕事ができていますか?肩が凝っている、腰が痛い、睡魔が襲ってくる、お客様からのクレームで心が沈んでいる、オフィスがうるさくて集中できずにイライラする等々、心身に何かしら不調を抱えながら仕事をしているのではないでしょうか。

というのも、最近では、休憩(お昼時間を含む)目的に社員がフリーで使うことができるリフレッシュスペースを設けている企業は珍しくありません。しかし「リフレッシュ」というのは名ばかりで、多くの企業では特に目的を設定しない「多目的エリア」となっているのが実状です。

オフィスにおいてリフレッシュスペースを設ける目的は何でしょうか?
社員の業務パフォーマンスを上げることが目的です。これはどの企業にも共通する目的ですが、リフレッシュスペースの「役割」は企業によって違います。なぜなら、業務内容や業務スタイルは企業の事業内容によるところが大きいからです。

貴社におけるリフレッシュスペースの「役割」を明らかにすることが社員の心身への不調を解決し、結果として業務パフォーマンスを上げることにつながります。
それでは、初めにその「役割」について考えてみましょう。

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リフレッシュスペースの「役割」を考える

リフレッシュスペースの呼び名は企業によって様々です。フリースペースと呼んでいる企業もあれば、カフェスペースと呼んでいる企業もあります。
決してリフレッシュスペースを「多目的(フリー)」に使うことが間違っているわけではありません。もちろん多目的に利用することはスペース効率を考えても有効です。重要なのはリフレッシュスペースに「どんな役割を持たせるのか」ということです。
貴社の社員が「どのような働き方をしているのか」でその役割は変わります。なぜなら、職種や職務のタイプによって求められる業務パフォーマンスが異なるからです。

1. 「休憩スペース」という役割

1.「休憩スペース」という役割

「リフレッシュスペース」という呼び名に一番相応しい使い方でしょう。仕事で溜まった疲れを癒し、新しい気分で仕事に戻るための休憩スペースとしての役割です。

エンジニア、デザイナー、ライター、コールセンターのオペレーターなど、一人でする仕事は継続的な集中力や緊張感が伴います。その結果、多くのストレスを抱えることにもなります。このような職種の方が所属する企業では、彼らの心身の疲れを軽減するための休憩スペースが必要です。

例えば、眺望が良い場所にテラス席を設置したり、仮眠が取れるようにソファ席やパーソナルブースを置いたりすると良いでしょう。人の生体リズムに合わせて照度や色味を変えられる照明器具を取り付けることも得策です。

2. 「交流スペース」という役割

2.「交流スペース」という役割

最近のオフィスの傾向として、人と情報が交差するスポットを社内の随所に設けています。というのも、人が集まるところには情報が集まり、その人たちがコミュニケーションをとることで「新たな視点や発想」が生まれ、問題解決につながると考えるようになったからです。
コミュニケーションを自然発生的に生み出す仕掛けとしてリフレッシュスペースの役割は大きいでしょう。

どの企業でも「新たな視点や発想」は必要ですが、特に企画・立案・調査・分析等を行う非定型的な仕事をされている方は、部門を越えた人との対話から新しい視点で課題を発見したり、またはその解決方法を見つけ出したりする機会を得ています。「交流スペース」には、自分以外の人間から刺激を受けて生産性向上のきっかけとなる役割を持たせることができるのです。

ラウンジやカフェテリアのような対面式の家具を多く設置し、カジュアルな会話を促すという点では、気軽に立ち話ができる程度のハイテーブルもおすすめです。

また、ライブラリー機能を備え、社員の業務に役立つ書籍や雑誌等を揃えておくことも「新たな視点や発想」の機会を創出し、それをきっかけにしたコミュニケーション量の増加が期待できます。

「交流スペース」は、お昼時は社員同士の会話が弾む空間、それ以外の時間帯は商談やミーティング、社内懇親会など、一日、一年を通して「人が集う場所」として使うことができます

リフレッシュスペースに最適なオフィス家具を本記事でご紹介しています。
こちらもあわせてご参考にしてください。

3. 「集中スペース」という役割

3.「集中スペース」という役割

リフレッシュスペースが「集中スペース」としての役割を担う機会は今後も増えていくでしょう。以前と比較して、企業はコミュニケーションを重視する傾向にあり、執務スペースにフリーアドレスデスクを採用する企業が増えてきました。反面、自席がなく、集中がしにくいというデメリットが生じており、そこで「集中できる場所」を別途設ける必要性が出てきています。

人が1日に集中できる時間は4時間しかないそうです。そう考えると、ワイワイガヤガヤするオフィス環境が、社員の貴重な集中時間を奪い、生産性を下げているかもしれません。

また、集中を阻害する要因はコミュニケーション重視のオフィスに集中できる環境が少ないことだけが理由ではなく、スマートフォンの着信通知、チャットワークのようなコミュニケーションツールの利用などその理由は様々です。
よって、集中を阻害する要因から離れられる場所をオフィスに設けることは、社員の業務パフォーマンスを上げるために必要だといえるでしょう。

関連記事
オフィスの中で集中スペースをつくる具体的な対策については「集中ブースがオフィスになくてはならない理由とは?具体的な4つの対策」もあわせてご覧ください。

業務パフォーマンスを上げるために必要な社内の共通認識とは?

リフレッシュスペースを設ける目的は「社員の業務パフォーマンスを上げること」であり、そのためにはスペースに「役割」を設定することが重要だと述べました。しかし、社員にある共通認識を持つ必要があります。そこで、質問形式でその共通認識について考えてみたいと思います。

あなたは、休憩することに背徳感を抱いていませんか?

貴社には社員が快く休憩できる企業文化はありますか?「休憩をすることが悪いことのような気がして全くリラックスできない」もしくは「あいつはサボっているのでは?」と疑いの目を向けられることを心配している方もいるかもしれません。
確かにわからないこともありません。仕事中に休憩時間を取るなど以ての外だと思いがちなのが多くの日本人の反応です。

しかし、集中力を持続するのは90分が限界といわれています。
東京大学 池谷裕二教授によると「脳波は前頭葉のガンマ波が集中力に関与していると考えられる」とし、60分継続して学習すると、そのガンマ帯域のパワーが時間の経過とともに下降していくというデータを示しています。一方で、途中に休憩を3回挟んで15分×3回(計45分)の学習をした場合、ガンマ帯域のパワーが回復しながら一定の集中力を保つことができたというデータを示しています。(朝日新聞DIGITAL「勉強時間は短い方が好成績?」より)このことからも休憩を上手に取り入れることは「社員の業務パフォーマンスを上げること」つながるといえるでしょう。

あなたは、自由に仕事ができていますか?

貴社は自己裁量権が高い職場といえますか?昭和以降の日本型オフィスでは対向島型レイアウトになっているのが一般的です。これは部署ごとにデスクを向かい合わせに配置するレイアウトのことです。上司が部下の仕事を管理しやすいレイアウトで、トップダウン型の組織においては最適なフォーメーションでした。しかし、最近の調査で自己裁量の高いワーカーは低いワーカーに比べ生産性が2倍高いということがわかりました(※)

また、生産性に最も影響を与えるのは「空間機能性」で、活動に合わせ空間を多く与えられているワーカーとそうではないワーカーでは、生産性に25.5%の差があることもわかりました。(株式会社イトーキ「「働き方の自己裁量」がワーカーの生産性とワークエンゲージメントに及ぼす影響について調査」より)

つまり、自分の考えで判断し決断できる自己裁量権が高いこと、そして働く場所を自由に選択できる空間機能性が高いことが業務パフォーマンスを上げるといえます。

※多様な活動に合わせた空間の機能性、制度導入や社内ルール確立による柔軟性、ITツールの充実による移動性、そしてワーカーの基盤となる、心身の健康を保つ為の空間品質性、すべてが満たされているワーカー群を「自己裁量大ワーカー」と定義付けています。

関連記事
生産性が向上するオフィスレイアウト3選!事例やポイントを解説

「役割別」オフィスの活用事例

【集中スペース/休憩スペース】カウンター席

窓際を利用したカウンター席はリフレッシュ目的だけではなく、気分を変えて仕事をしたい時にも最適な空間です。カウンター席の背後を囲む部屋はガラスパーテーションになっているのでとても開放的です。

▶ 参考:株式会社ガーデン 様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例

【交流スペース/休憩スペース】カウンター席・カフェテーブル席

カフェのような開放的な空間。奥のカウンターには電子レンジやコーヒーメーカー等を置けるゴミ箱収納式のカウンターを設置。ランチ時に社員が集まる場としてコミュニケーションの促進を図っています。

▶ 参考:生興株式会社 様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例

【交流スペース/休憩スペース】対面式ソファ席・カウンター席

移転時に「働きやすいオフィスづくり」の一環としてリフレッシュスペースを新設。テーブルと奥に見えるカウンターはオーダーメイドでリラックスできるように寸法にこだわって造作しています。

▶ 参考:株式会社THKホールディングス 様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例

【交流スペース/休憩スペース】対面テーブル席・ソファ席

執務スペース内にリフレッシュスペースが設けています。反対側には、冷蔵庫、レンジ、ウォーターサーバー、コーヒーメーカー等が備えつけられ、休憩する場としてだけでなく、社内のカジュアルな打ち合わせもできる空間です。

▶ 参考:ジグザゲーム株式会社 様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例

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リフレッシュスペースに最適なオフィス家具

リフレッシュスペースに最適なオフィス家具
用途
休憩スペース/交流スペース
商品の特徴
リフレッシュスペースにおけるコミュニケーションを通じて社員同士の連携を深めることが大切です。木目の家具は柔らかい印象があり、社員の交流を演出するのにぴったりでしょう。また、「交流」をキーワードとするなら、ラウンドテーブルがおすすめです。互いに向かい合う配置になるのでカジュアルな会話に最適。
背後にあるコーヒーメーカーや電子レンジ等を置けるカウンターはゴミ箱が収納できます。社員が自然と集まってくるリフレッシュスペースにするためには清潔に保つことも必要ですね!
掲載商品
スタッキングチェア エルモサ "Hermosa"
キャスター付きラウンドテーブル 丸型 レシル "Lesir"
カフェテーブル 角型 レシル "Lesir"
ゴミ箱収納用カウンター セルボ "CELVO"
用途
交流スペース/集中スペース
ブランド名
メティオ ハイテーブル
商品の特徴
壁面に沿って設置することもできますが、立ったまま気軽に会話をするのにも向いているテーブルです。
用途
集中スペース/休憩スペース
ブランド名
ハイビス ハイバックソファ 1人掛け
商品の特徴
パネル付きソファブースはパーテーションに囲われている個室空間で一人の集中するための空間をつくることができます。

まとめ|「社員にどのように働いてほしいか」を示すことが重要

本コラムでは、『社員の業務パフォーマンスを上げるオフィスのリフレッシュスペースとは?』というテーマで、社員の業務パフォーマンスを上げるためには、リフレッシュスペースに「役割」を持たせることが必要だということ、さらには「休憩をうまく取り入れる」「働く場所を自由に選択できる」という企業文化がベースにあることが重要だと述べてきました。

やがて人口減少により日本経済が縮小してしまうという危機感から、そして、今現在も労働力を確保したい企業が多く存在することから「人材」と「働き方」の両面において多様化されてきています。その時流の中で私たち社員は「どのように働きたいか」という意思を示せるようになってきました。今後は、企業が「社員にどのように働いてほしいのか」「企業にとってどのような能力が必要なのか」を社員に示すことが必要になってきます。リフレッシュスペースも、単に設けるだけではなく、企業にとってはその意思を示す重要な手段の一つになってくるのではないかと思います。

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