突然ですが、私のデスク周りの環境は最悪でした。以前に勤めていた会社はデスクやチェアに気を使う会社ではありませんでしたし、WEB制作という仕事柄、前のめり、椅子の背もたれに体重を預けるような後傾姿勢は当たり前、その上に長時間労働でしたので、身体への負担はひどかったと思います。
この記事を読まれている方の中にも同じような環境で働いる方は結構多いのではないかと思います。
2020年からは中小企業でも労働時間の上限が規制されますのでデスクに向かう時間も減ると期待したいところですが、ビジネスシーンにおいてはノートパソコンが普及したことで仕事中の姿勢は最悪な状態です。
背中を丸め、首を前に出したような姿勢になっていませんか?ご自分の姿勢を振り返ってみると思い当たる方がほとんどなのではないでしょうか。
そこで、オフィス移転やリューアルを機にオフィスデスクを入れ替える予定のある企業様には、是非昇降式スタンディングデスクの導入をご検討されることをおすすめします。
※上下に昇降するタイプのデスクを“昇降デスク”や“昇降式デスク”といいますが、“スタンディングデスク”にも昇降式のタイプがあります。このコラムでは「座ってでも、立ってでも使用できるデスク」という意味で“昇降式スタンディングデスク”と表記します。
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なぜ企業が昇降式スタンディングデスクを導入するのか
グーグル、フェイスブック、アップルなどのシリコンバレーのIT企業、日本では楽天が本社移転の際に全社員のデスクを昇降式スタンディングデスクにしたという話は有名ですが、一体どんな理由で昇降式スタンディングデスクを導入するに至ったのでしょうか。
その理由は大きく2つあります。1点目は「健康」の観点から、そして2点目は「自由な働き方」の観点からです。
健康の観点から
「1日11時間座る人は死亡リスクが40%高まる」「座ることは喫煙と同じ」といった言葉を目にしたり、耳にしたりした方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
昇降式スタンディングデスクが企業で導入されるようになったのも、座る時間が長い人ほど病気になる可能性が高いことが実証されたことが背景にあります。
早稲田大学 スポーツ科学研究科 岡浩一朗教授は「血流は命のカギを握っている」と言っています。
座っている間は下半身をほとんど動かさないために、ふくらはぎのポンプ機能が弱まります。その結果、血流が一気に悪化し、その影響が全身に広がっていくというのです。30分座ると血流速度はなんと70%低下することが分かっています。
血液は酸素や栄養素をからだの隅々まで運び、老廃物を回収する役割を担っています。そのため、血流が悪いということは、血液循環のリズムが乱れることを意味します。その乱れは代謝の低下を招き、血液がドロドロ状態(余分な糖や脂肪があふれ出した状態)に陥り、その結果、体調不良を起こします。糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞といった病を引き起こし、最終的には死を招く可能性もあります。
また、最近では「健康経営」という言葉が広く知られるようになりました。というのも、肩こり、腰痛、頭痛、睡眠不足などの体調不良により業務パフォーマンスの低下が大きな損失を招いているということが分かったからです。
「業務パフォーマンスの低下が大きな損失を招いている」という表現は少々分かりにくいかもしれませんが、このように考えると分かりやすいかもしれません。通常2時間で終えることができる業務を体調不良のために4時間かかったとしたら、会社にとっては損失です。
従って、社員の健康を維持・促進することは経営戦略としての「投資」であると考える企業が増えてきたという訳です。
健康への関心の高まりが「立って仕事をする」という業務スタイルを取り入れる切っ掛けとなっています。
自由な働き方の観点から
「管理型組織」から「自己裁量型組織」へ変革していることも背景にあると言えるでしょう。
毎日「イノベーション」という言葉を聞かない日はないくらいに耳にします。この変革の時代に、企業が社会で存続、成長するためには新しいビジネスを生み出さなければならず、その危機感や切迫感の表れなのではないかと思います。
この「企業の成長」や「イノベーション」の原動力になるのが「社員のモチベーション」です。従来の「管理型組織」では社員の「モチベーション」が上がらないのは想像に難くないでしょう。そのような状況の中、自由度の高い働き方を推奨する企業が出てきました。
最近、ABW(Activity Based Working)という概念も一部の企業で取り入れるようになりました。これは、一人で集中する仕事なのか、仲間とのチームワークが必要な仕事なのかといった業務タイプから、これから行うべき仕事が一番効率良く行われるであろう“場所”と“時間”を社員自らが自由に選ぶ働き方のことです。この考え方は「自己裁量型」の働き方の一例と言えるでしょう。
昇降式スタンディングデスクも個人の心身のコンディションに合わせ、立位、座位を切り替えることで働き方の自由度を高めます。その結果的「社員のモチベーション」の持続に結びつきます。
働きやすい環境をつくることは、健康と同様に経営戦略としての「投資」となります。
全社員に適応するオフィスデスクは
昇降式スタンディングデスクしかない
立って仕事をすることが良いということではない!
長時間同じ姿勢で居続けることが身体に負担を掛けています。
座ることをやめて立って仕事をした方が良いと言っている訳ではありません。ずっと立ち続けていると、腰は痛くなり、脚もむくみます。疲れれば姿勢も悪くなります。
下の図をご覧下さい。立位姿勢を100とした場合に腰にかかる負荷を示した図です。座位姿勢では1.4倍かかっていますが、仰向けに寝た状態を基準とした場合、立位姿勢は4倍の負荷がかかっています。この結果から立位姿勢が必ずしも良い姿勢とは言えません。
【立位姿勢を100とした場合にかかる腰への負荷】
早稲田大学理工総合センター 客員教授 三家礼子氏は、座位作業と立位作業の組み合わせが身体への負担を軽減すると言っています。
三家氏らの調査によると、座位+立位作業は座位作業よりも、むくみが60%、筋硬度は被験者の40%が、肩こり、腰痛、首の痛みが軽減されたと報告されています。“ただし”と条件が付け加えられた上で、座位作業と立位作業との割合は5:1が適切だと言っています。
つまり、立って仕事をすれば健康的だという訳ではなく、座位と立位のバランスが大事だということが分かります。
昇降式スタンディングデスクというと“立って仕事をするためのデスク”というイメージを持ってしまいがちですが、昇降式スタンディングデスクは座位作業と立位作業の切り替えができるので長時間のデスクワークに最適なデスクといえます。
それでは、次に自分の身長に最適なデスクの高さはどれくらいなのかを見てみましょう。
自分の身長に最適なデスクの高さは想像しているより低い
現在、日本で販売されている多くのオフィスデスクは(身長に対して)高すぎるかもしれません。
通常販売されているオフィスデスクの高さは70~72cmというものがほとんどです。JOIFA(日本オフィス家具協会)ではオフィスデスクの高さは72cmを推奨しています。
その理由は、日本人の平均身長が1971年当時に比べ、約4〜5cm伸びたこと、外国人ワーカーが増加したこと、身体障がい者の雇用拡大により車椅子に対応できるオフィスデスクが必要になったことなどがあげられています。
では、なぜ72cmなのか?という問いについては、JOIFAのサイトに「(1971年)当時と同じ方法で算出すると推奨高さは720mmになります。」と記載があります。
しかし“当時の方法”が不明なので、人間工学に基づいたといわれる“最適な机の高さ”の計算式に、17歳男性の平均身長170.9cm(1998年度学校保健統計調査)を当てはめてみるとどうでしょう。約72cmと算出されます。
つまり男性の平均身長を基準として算出された可能性があるということです。
しかし、私たちの身長は千差万別です。背の低い人もいれば高い人もいます。以下の表の“身長”と“最適なデスクの高さ”という部分は先述の方程式に当てはめた数値ですが、最適なデスクの高さが、意外にも低いことが分かります。
身長 | 最適なデスクの高さ | 差尺 | 最適な椅子の高さ (机高72cmの時) |
---|---|---|---|
150cm | 63cm | 26cm | 47cm |
160cm | 67cm | 27cm | 45cm |
170cm | 72cm | 29cm | 43cm |
180cm | 76cm | 31cm | 41cm |
190cm | 80cm | 33cm | 39cm |
※最適なデスクの高さ:身長×0.25-1+身長×0.183-1/差尺:座高(身長×0.55)÷3-2cm/最適な椅子の高さ:(最適なデスクの高さ)-(差尺) 小数点以下切り捨て。
先ほど、日本で通常販売されているオフィスデスクの高さは70~72cmだと述べました。
自分の身長に最適なデスクとはいえないかもしれませんが、既製のオフィスデスクが“ダメ”というわけでは決してありません。
チェアの高さをデスクの高さに合わせることで自分に最適なデスクの高さにできます。
そのためには「差尺」を算出する必要があります。
「差尺」とは、(デスクの)天板までの高さと(チェアの)座面までの高さの差のことです。
デスクの高さから「差尺」を引いた数値が、自分に最適なチェアの(座面までの)高さです。
例えば、身長が160cmとすると、デスクの高さ72cmから差尺27cmを引いて、45cmとなります。座面の高さを45cmに調節すれば良いということです。
しかしながら、身長が異なるすべての方に対応する最適なデスクはありません。上の表をご覧いただくと、身長が180cm以上の方には、一般的なオフィスデスクは低いと考えられます。
身長が高い方や完全カスタマイズの最適な作業環境にしたい方には、昇降式スタンディングデスクが最適となってきます。
昇降式スタンディングデスクの選び方と
おすすめ商品を紹介!
昇降式スタンディングデスクは値段が高いと思われがちですが、お手頃なものですと2万円台から、高価格帯のものであれば20万円以上と価格もまちまちです。
高機能でなくても昇降デスクとしての機能は満たしているので、強いこだわりが特に無いようであればリーズナブルなものを選んでも問題はありません。
しかしメーカーによってサイズに違いがありますので、昇降する(最低と最高の)高さ、幅、奥行きのサイズを確認の上ご購入することをおすすめします。
ここでは昇降式スタンディングデスクの種類とそれぞれのメリット・デメリットを説明し、おすすめの昇降式スタンディングデスクをご紹介します。
昇降式スタンディングデスクの種類
昇降式スタンディングデスクの「昇降の方式」にはいくつかの種類があります。
まず、「手動式」と「電動式」の2種類の方式に大別され、さらに「手動式」は「手回し(ハンドル)式」と「油圧式」の2種類の方式に分けられます。
「手動式」はリーズナブルな価格でお買い求めいただけますが「電動式」に比べ、昇降するのに手間がかかる点がデメリットかもしれません。
使いやすさという観点からは「手回し(ハンドル)式」よりも「油圧式」の方が若干価格は上がりますがワンタッチ昇降ができるのでおすすめです。
種類 | メリット/デメリット | |
---|---|---|
電動式 |
|
|
手動式 | 手回し式 (ハンドル式) |
|
油圧式 (ガス圧式) |
|
おすすめの昇降式スタンディングデスクを紹介します!
昇降式スタンディングデスクは、ホーム家具メーカーやオフィス家具メーカーから数多く発売されています。一例ではありますが、オフィスコムより発売されている昇降式スタンディングデスクからおすすめのものをご紹介したいます。
-
-
- ブランド名
- オフィスコム 昇降デスク フォリット
- 昇降タイプ
- 油圧(ガス圧)式
- 昇降の高さ
- (最低)700 〜 (最高)1130 mm
- カラー
- 天板:ホワイト・脚:ホワイト / 天板:ホワイト・脚:ブラック
天板:ナチュラル・脚:ホワイト/ 天板:ナチュラル・脚:ブラック - おすすめポイント
- ガス圧式タイプは昇降時にコツがいると言われていますが、フォリットはユーザー様から「昇降しやすい」という声をいただいております。また、耐荷重80kgで、一般のオフィスデスクと同様にデスクの上に物を置いて作業ができます。
-
-
- ブランド名
- オフィスコム 電動昇降デスク パブロ2
- 昇降タイプ
- 電動式
- 昇降の高さ
- (最低)650 〜 (最高)1250 mm
- カラー
- 天板:ホワイト・脚:ホワイト / 天板:ホワイト・脚:ブラック
天板:ナチュラル・脚:ホワイト/ 天板:ナチュラル・脚:ブラック - おすすめポイント
- ワンタッチで昇降できるのが電動式の一番の利点ですが、パブロはユーザー様のお好きな高さを記憶することができます!安全機能も付いているので障害物を検知すると自動で止まります。天板の幅は1200mmと1400mmの2タイプ展開。
迷ったらショールームで試すことをおすすめします!
スタンディングデスクをオフィスで使っている企業様はまだまだ少ないと思います。導入事例が少ないだけに「本当に必要ある?」という声もあるでしょう。
弊社では、昇降式スタンディングデスクを一部の社員が使っています。
一目瞭然なのは、デスクの高さがみんな違うということ!自分に最適なデスクの高さは人それぞれ違うということを証明しているかのようです。
オフィスデスクの入れ替えやご購入をお考えの企業様には、この機会に是非ご検討いただきたいと思います。
まずはショールームでご体感することをおすすめします。各メーカーのショールームの他、オフィスコムのショールームでもお試しいただけます。
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