オフィスにおける電気工事は、快適な職場環境を維持し、社員の業務効率を向上させるために不可欠です。
しかし、電気工事の種類は多岐にわたるため、事前にしっかりと情報を収集しておくことが重要といえます。
この記事では、オフィスにおける電気工事の目的と電気工事の種類のほか、費用相場と見積もりについて解説。
また、工事費用を抑えるためのポイントについても解説します。
この記事を参考に、自社に合った電気工事を行ってください。
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オフィスの電気工事の目的
オフィスにおける電気工事とは、発電所から送られてきた電力を、オフィスに安全かつ効率的に供給し、快適で機能的な空間を実現するための工事のことです。
オフィスにはパソコンや照明だけでなく、空調など多くの電気設備が不可欠であり、これらの安定稼働を支えるのが電気工事の目的といえます。
オフィスの電気工事の区分
オフィスにおける電気工事は、最大電力500kW未満の需要設備を対象とした作業が一般的で、電気事業法にもとづき「自家用電気工作物」に関する工事として分類されています。
また、賃貸オフィスの電気工事は、誰が何の責任を負うのかを定めている工事区分でいえば、「B工事」あるいは「C工事」に区分できます。
それぞれの違いは、次のとおりです。
B工事
B工事とは、テナント専有部分でありながら、建物全体に影響を与える部分の工事を指します。
電気工事の領域で具体的にいえば、空調や防災設備のほか、照明などが該当します。
建物所有者が指定した業者によって施工されるのが特徴です。
C工事
C工事は、テナント専有部分で行われる工事です。
電気工事の領域では、設備への配線やコンセントの増設などがC工事にあたります。
費用負担者はテナントであり、工事を行う業者もテナント側が選定するのが一般的です。
規模や資格要件は、工事内容によって異なります。
オフィスの電気工事の種類

オフィスにおける電気工事には、いくつかの種類があります。
ここでは、電気工事の種類について解説します。
なお、ここでふれている電気工事は、高い電圧を必要とする「強電」領域のものです。
電話回線やLAN回線の工事に関しては、高い電圧を必要としない「弱電」領域の電気工事となります。
また、空調や防犯カメラなどの設置工事については電気工事に含まれず、専門業者に依頼するのが安心といえるでしょう。
配線工事
配線工事は、電気の幹線となる電線をビル内に引き込んだ上で、天井や壁の中や床下を通じて各部屋に電気を分配し、コンセントや照明器具のスイッチを使えるようにするための電気工事です。
オフィスの電気工事において、高い技術が求められる難工事といえます。
配線工事には、LAN回線や電話回線の工事などの弱電分野を含むこともあるので注意が必要です。
なお、オフィスにおいては、現在の電力需要だけでなく、将来的な拡張性も考慮した配線設計が求められます。
OAフロア方式の配線を採用すれば、メンテナンス性と拡張性を両立させることができるでしょう。
分電盤工事
分電盤工事とは、ビル内で電力を安全かつ効率的に分配するための設備である分電盤を、設置・交換・メンテナンスする電気工事のことです。
分電盤は、送電された電気を各部屋や業務用機器に適切に振り分ける役割を果たします。
ちなみに、分電盤の中にはブレーカーが備わっており、過電流や漏電などの異常が発生した際には、自動的に電流を遮断する安全装置としても機能します。
ブレーカー工事
ブレーカー工事は、ビル内に引き込まれた電気を各回線に分配する機能を持つブレーカーに関する電気工事で、過電流や漏電のリスクからオフィスを守るために重要です。
高い電圧を必要とする業務用機器が設置されている場合、分電盤の中にブレーカーを別途設置する必要があります。
安全装置である過電流ブレーカーは、過剰な電流から電線を守るために必要です。
また、漏電ブレーカーは、漏電によって生じる感電事故や電気火災の防止に不可欠といえます。
動力設備工事
動力設備工事は、業務用エアコンなどの機器に対し、稼働に必要なエネルギーである動力を供給するための電気工事です。
大型の業務用機器の安定稼働には、適切な動力供給が不可欠なのはいうまでもありません。
この工事には、動力盤・制御盤の設置や、動力盤から各機械への配線・配管作業などが含まれています。
コンセント工事
コンセント工事は、オフィスで働く社員にとって重要な電気工事のひとつです。
オフィスにおいては、パソコンや複合機などのOA機器を使用するため、壁や床に十分な数のコンセントを設置したり、増設・移設したりする必要があります。
特に、フリーアドレス化したオフィスには不可欠といえるでしょう。
タコ足配線や延長コードは美観を損ねる上、安全面の問題もあるため、拡張性を考慮したコンセント設計が求められます。
スイッチ工事
スイッチ工事は、照明などの電気設備を効率的に操作するために行われます。
オフィスでは、利便性や省エネ性のほか、社員の使いやすさなどを考慮した適切なスイッチ配置が求められます。
近年は、一般的なスイッチだけでなく、人感センサーによるスイッチや調光機能付きスイッチなど、多様な制御方法が普及している点に留意したいところです。
照明工事
オフィスにおける照明工事は、社員の快適性と生産性に直接的な影響を与える電気工事といえるでしょう。
適切な照明計画は、社員の視覚的な疲労を軽減し、集中力維持や作業効率向上に貢献します。
また、空間をおしゃれな雰囲気にするデザインの照明や、省エネ性の高いLED照明の導入も効果的です。
オフィスの照明設計においては、JIS規格で推奨される照度基準(一般事務作業エリアで500~750ルクス程度)を満たしつつ、均一な照度分布と適切なグレア(まぶしさ)制御が求められます。
照明の入れ替えやLEDサインの取り付けからLAN配線・OAフロア配線、防犯カメラや電子錠を代表とするセキュリティー対策までオフィスで必要な電気・照明工事ならオフィスコムにお任せください。
オフィスにおける電気工事の費用相場
オフィスにおける電気工事の費用は、工事の種類や規模、地域性など、さまざまな要素によって異なります。
オフィスコムにおける電気工事の費用相場は、下記のとおりです。
■ オフィスの電気工事費用の相場(オフィスコムの場合)
工事の種類 | 費用相場(目安) |
---|---|
配線工事 | 1万円~/回路 |
タップ工事 | 3,000円~/1個 |
分電盤工事 | 5万円~/1台 |
ブレーカー工事 | 1万5,000円~/1個 |
スイッチ工事 | 6,000円~/1ヵ所 |
照明(点滅切替)工事 | 1万5,000円~/1台 |
ちなみに、電気工事の費用は、物件の規模や工事内容のほか、使用する機器や素材などによって変動します。
具体的には、電気工事を行う部屋やコンセント・照明の数による変動が挙げられます。
また、電気工事を行うビルにおける階層や複雑さに応じて、工事費用に反映されるでしょう。
なお、昨今は世界規模の半導体不足によって部材の供給に滞りが生じたり、値上がりが起きたりしたことがありました。
また、「蛍光灯の2027年問題」によってLED照明に関する工事の殺到や、部品値上げといったことが懸念されています。
このような事態は、今後も起こりうる可能性がある点に注意してください。
- 関連記事
- 蛍光灯の2027年問題については、「蛍光灯の2027年問題とは?製造禁止の理由と対処法を解説」 もあわせてご覧ください。
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電気工事費用の見積もり内容
電気工事費用の見積もりは、一見すると複雑に見えるかもしれません。
しかし、その見積もり内容を知っておけば内容を把握しやすくなり、専門業者との交渉もスムーズに進めやすくなるはずです。
オフィスコムの場合、電気工事費用は、下記の電工費(人工代)に労務費(作業費)、材料費などの経費を足していけば、オフィスの電気工事にかかる全体の費用がわかります。
■ 電気工事費用の見積もりの例(オフィスコム:2025年3月時点、東京23区内の場合)
費用項目 | 内容 | 費用(目安) |
---|---|---|
材料費 | スイッチ、コンセント、照明、ブレーカーなどの機器類の費用 | 材料によって異なる |
電工費(人工代) | 出張派遣にかかる費用 | 4万5,000円~ |
労務費(作業費) | 各作業にかかる費用 | ・照明機器取付け:4,000円~ ・照明撤去:3,000円~ ・管球交換:500円~ ・スイッチ取付け:6,000円~ ・スイッチ配線:6,000円~ ・点滅切り替え:2万円~ ・コンセント取付け:5,000円~ ・コンセント配線:5,000円~ ・モール施工:600円~ ・回路配線:1万円~ ・ハーネス取付け:1,500円~ ・仮設コンセント取付け:1,000円~ ・ボックスコンセント取付け:1,500円~ ・フロアコンセント取付け:6,000円~ ・単独回路配線:1万円~ |
夜間工事費 | 夜間工事にかかる費用 | 8,000円~ |
消耗・雑材費 | モール、ガードマン、Fケーブルなどの費用 | 1万円~ |
廃棄費 | 廃棄にかかる費用 | 5,000円~ |
運搬搬入諸経費 | 運搬などにかかる費用 | 5,000円~ |
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オフィスの電気工事費用を抑えるためのポイント

オフィスの電気工事は、社員が働く環境を快適にでき、モチベーションアップや生産性向上に欠かせないものです。
ただし、電気工事費用は高額になるケースもあり、予算オーバーになってしまうこともあるでしょう。
最後に、オフィスの電気工事費用を抑えるためのポイントを解説します。
複数の専門業者に見積もりを依頼して、比較・検討する
オフィスの電気工事にかかる費用を抑えるには、複数の専門業者に見積もりを依頼し、工事費用や内容を比較・検討することが重要です。
なお、見積もり比較サイトで「安価だから」という理由だけで業者を選ぶと、実際の現場では話が食い違うといったトラブルになることもあります。
安すぎる工事費用にはリスクが伴う場合があるため、注意してください。
電気工事の工期は余裕を持って設定する
オフィスの電気工事にかかる費用は、時期によって変動します。
夏前や年度末などの繁忙期は、高騰する傾向があるため注意が必要です。
費用を抑えるポイントとしては、繁忙期を無理に避けようとするのではなく、専門業者に早めに相談し、余裕を持って工期を設定することです。
早めの相談と余裕を持たせた工期によって業者も調整しやすくなり、土日祝日でも対応できるでしょう。
例えば、年度末に電気工事が必要であれば、12~1月に相談するのがおすすめです。
目的や予算に合った部材を適切に選ぶ
オフィスの電気工事の費用を抑えるポイントとして、目的や予算に合った部材を選ぶことが挙げられます。
高品質な部材は確かに長持ちしますが、必ずしも高価なものを選ぶ必要はありません。
どれを選んだらいいのかわからない場合は早めに専門業者に相談し、適切な部材を選定してください。
見積もりを依頼する際には予算をあらかじめ伝えておき、その範囲で検討してもらうのも効果的です。
いくつかの工事をまとめて依頼する
オフィスの電気工事費用を抑えるポイントとして、いくつかの工事をまとめて依頼することが挙げられます。
内容が近い複数の工事をまとめて依頼すれば、工事費用の総額からある程度の割引を受けられる場合があります。
助成金・補助金をチェックする
LED照明への切り替えなどは、国や自治体から助成金・補助金が適用される場合があるので、電気工事費用を抑えるためにもチェックしておきましょう。
具体的には、経済産業省の「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」や東京都の「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」などが挙げられます。
なお、助成金・補助金制度については地域ごとに異なるため、事前に確認する必要があります。
助成金・補助金については、下記のページもご覧ください。
→ 助成金・補助金の申請サポート
設計やレイアウトを単純化・標準化する
回路設計や配線のレイアウトを単純化することも、オフィスの電気工事費用を抑えるためのポイントです。
例えば、複数の部屋の照明スイッチを一括操作型のスイッチに単純化し、それを標準化すれば、施工時間や材料費を削減でき、費用を抑えられる可能性が高くなります。
オフィスの電気工事にかかる費用と効果を考えながら専門業者を選ぼう
オフィスの電気工事は、快適な職場環境と生産性向上などにおいて、必要不可欠です。
しかし、一口に電気工事といっても内容は多岐にわたり、どのように見積もりをチェックすればいいのか、どれぐらいの費用がかかるのかがわからず、頭を抱える担当者の方も少なくないでしょう。
格安をウリにする業者とトラブルになるリスクを避けながら、予算内で費用を抑えた工事を実現してくれる、実績豊富な専門業者に依頼したいところです。
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