SPECIAL INTERVIEW vol.03
山川商事株式会社 山川 蕙莉・山川 朋子 様|オフィスデザイン・レイアウト事例
信頼できるパートナーと作り上げたこだわりの空間
担当営業:S. Tago 担当設計・デザイン:Y. Li
たくさんの笑顔が咲く憩いの空間
シニア向けのセレクトショップとして2015年1月26日にオープンしたばかりの『ひまわり』。御茶ノ水駅から徒歩1分という好立地にあるビルの5階に店を構える同店を経営している山川商事株式会社は、元々「ひまわり寿司」という寿司屋を40年近くに渡り営んできており、長年地域に密着して多くのお客様に愛されけてきた。同社が新たに作り上げた店舗に対する強い想いやこだわりについて、山川商事株式会社 山川学和氏にお話を伺った。
なぜ施設環境へ投資したのか
御茶ノ水の街のイメージというのは、多分昔は“学生街”というイメージだったと思います。今は病院関係の方が増えてきました。弊店をご利用いただいた病院関係者や通院中の方々を見ていると、高齢者の方々がとても多いということを実感しました。病院関係や高齢者の方々にご利用いただけるような商品はないかなと考え始めたことが、新たにセレクトショップを開くきっかけになりました。
信頼できるパートナーと作り上げたこだわりの空間
今回セレクトショップ「ひまわり」の設計を担当したオフィスコム株式会社。初めての業態への挑戦という中で、どのようにしてオフィスコムと共にこだわりの空間を作り上げたのだろうか。
オフィスコムについては、以前からオフィス家具関係をいくつか使わせていただいておりました。入口の店名のロゴデザインも作っていただいて、とても気に入っています。今ではお店のシンボルになっています。また、店舗デザインの際「入口を湾曲にする」というアイデアをいただき、とても面白いなと思いお願いをしました。スケジュール感としては、2014年の5月中旬にオフィスコムに相談を持ち掛けました。案を出していただいたのは7月くらいでしたでしょうか。デザインが決定したのは8月でしたね。
デザイン案を出してもらうにあたり、こちらからは最初に「奥の空間をショップにしたい」という条件を挙げただけでしたね。大雑把な条件だけで「まずはやってみて」という形で投げたところ色々なデザインを挙げていただき、結果的に、シンプルで店としてもとても分かりやすい作りにしていただきました。実は、竣工後にも手すりが必要だなと思い、すぐにまたオフィスコムにお願いをしたんです。普通は工事会社にお願いすると思うのですが、オフィスコムにはデザイン段階からずっとコンセプトも見てきていただいていたので、その時も大雑把に「木の手すりで」とお願いしただけだったのですが、単純に手すりのことだけでなく、強度等も考えながら作っていただきました。手すり一つにとっても、非常に満足しています。
オフィスコム株式会社 /ファシリティ事業部:皆川智晃/デザイナー 李妍より
最初の段階ではほとんど何の希望も要望もなかった状態だったので、正直びっくりしました。ご要望と言えば、「高齢者の方が相手なので、そういった方々が過ごしやすいような空間にしたい」という点と、「木目を使った温かい感じで、使い勝手良く」という点のみだったかと思います。その後、ヒアリングを重ねていく中で、「所々に椅子を置きたい」「商品をしまう場所がないので、収納をいっぱい作って欲しい」という新たなご要望に加え、「ショップだけどイベントや講習会のようなこともできるようにしたい」という運営的なところのお話もしていただきました。
オフィスであれば、ざっくりとしたイメージをお伝えいただいて、それを具現化してプランを立てていくんですけども、店舗となると商品などとのいろいろな絡みが出てくるので、お任せという注文はとても難しかったですね。プランは李の方で行ったのですが、山川商事さんから吸い上げた話をそのまま伝えて、ほぼファーストプランで決まったような感じでした。
李氏:そうですね。プランに関して最初の具体的なイメージが特に無いとのことだったので、「お年寄り向けのお店」ということを重点的に考慮し、誰でも気軽に入りやすい雰囲気作りを心掛け、和のテイストを入れて落ち着いた空間を目指しました。
シニア向けショップを手掛ける上での注意点やこだわり
少ない情報の中でまず注意した点としては、お年寄りのお客様が多くいらっしゃるので、なるべく通路の幅を広く、店内も明るくするように心がけました。車椅子でも通れるように、全体的にゆったりとしたスペースを設けています。あとは、バリアフリーを心掛け、手すりも後で付け加えました。こだわった点としては、柱の隣に壁を作って什器を組み込んで、同じパーツを全部どこでも使えるように全てサイズを揃えたんです。そうすると、自ずと与えられたスペースの中にきっちり納まることはなく隙間ができるので、そこを全部収納にできるようにしました。また、それとは別に商品をストックできるスペースも2~3か所作りました。限られたスペースを最大限に活かせたのではないかと思っています。あとは、和の雰囲気や温かみを出したかったので、エントランスやレジカウンター等、所々に曲線のデザインを用いました。
李の方で最初に“床の間” の雰囲気を出したいというアイデアがあったので、パターンをいくつか出していたんです。床の間の感覚を表現するだけでなく、曲線の柔らかさを出すということが課題でした。元々建具が出来上がった上での化粧だったので、その範囲内でできることを探りながらデザインをしましたね。入口はエレベーターを降りると外を向いているので、お客様が店内に向けて入ってきやすいようにアール(円弧・曲線)を取りました。また、そのアールにニッチ(飾り棚)を取り入れたのも、自然と店内に目が行き、お客様が引き込まれるような形で入店できるようにという想いでデザインをしました。入口から店内へ入る通路部分には店舗デザイン時に一緒に考えたロゴサインを入れたのですが、これもエレベーターを降りてすぐ目につくところに店名が無いと、お客様が不安になってしまうのでは?と考え、あえてこの位置に入れました。
家具選びに対するこだわり
オフィス内の家具や什器類は最初のレイアウトの段階で選びましたが、店舗内の椅子については大分後に選びましたね。出来上がる直前までいろいろと見ていました。椅子に関してはかなりこだわりを持たれていて、実際にショールームにも来ていただきましたね。キャスター付きの椅子やリビングにあるような椅子だとお年寄りが立ち辛いのではないかという話が挙がっていたので、動かないけど椅子が回るものがあれば便利なのではないかということで、こちらからご提案をさせていただきました。
苦労した点について
一番苦労した点はやはりエントランスですね。ニッチ(飾り棚)を付けて商品を展示して、お客様を出迎えられるような作りにしました。あとは、エントランスから店内へ入る通路部分にガラスを用いて、そこに店舗のロゴとなるひまわりのイラストをデザインすることで、和の重すぎる雰囲気が出ないように仕上げました。
什器周りの色でも悩みましたね。最初はもっと濃い色だったのを、お客様のご意見を聞きながら明るい色に選び直しました。「これがいい!」と皆さん子供の様に選んでいたのがとても印象的でした(笑)。
STORYストーリー
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正直初めての業態の新規開業なので、山川さんもわからないことが多かったと思うんです。その度に相談していただけたので、その相談に乗らせていただいているうちに非常に良い関係性ができたと思っています。コンサルとまではいかないですが、常に寄り添う形で進めさせていただきました。