小規模オフィスとは、一般的に社員10人前後が使用する20坪以上50坪未満の面積のオフィスを指します。
小規模なオフィスは制約が多いものの、レイアウト次第でおしゃれなオフィスや使いやすいオフィスを作ることが可能です。
オフィスレイアウトの種類や考え方を知って、小さくても理想のオフィスを実現しましょう。
この記事では、小規模なオフィスレイアウトの基本的な考え方を解説するとともに、おしゃれな小規模オフィスの事例についてもご紹介します。
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オフィスレイアウトの基本
オフィスレイアウトを考える際は、デスクの配置方法と、座席を移動・固定にするかといった運用方法を決める必要があります。
業務内容に合った適切な方法を選択するとともに、オフィス空間を安全・快適に利用するための基準にもとづいてレイアウトをしましょう。
また、法律に則って定められたデスク間や人がすれ違うための通路幅である「基準寸法」も確認しておきたいところです。
まずは、オフィスレイアウトに欠かせないデスク・座席の配置方法と基準寸法について解説します。
① デスクの配置方法
デスクを配置する方法は多種多様です。
ここでは、「対向式」「並列式」「背面式」「クラスター式」の4つについてご紹介します。
対向式レイアウト
対向式レイアウトは、机同士を向かい合わせに配置する方法です。
島のようにブロックを作ることから「島形レイアウト」とも呼ばれます。
昔ながらのオフィスにも多いレイアウトで、部署単位で業務を行う場合に適しています。
資料や書類のやりとりもしやすいため、共通の書類を取り扱う経理や総務のほか、人事などの部署に適しているといえるでしょう。
並列式レイアウト
デスクを同一の方向に向けて配置するのが、並列式レイアウトです。
学校の教室のレイアウトと同一であることから、「スクール式」と呼ばれる場合もあります。
コールセンターやプログラマーなど、個人の業務に集中すべき部署に適しています。
背面式レイアウト
背面式レイアウトは、お互いのデスクを背中合わせに配置する方式です。
対面に社員がいないので、自分の仕事に集中して取り組みやすいというメリットがあります。
隣や後ろには社員がいるため、コミュニケーションはとりやすく、個人の仕事とチームでの仕事のバランスをとりやすい配置といえるでしょう。
クラスター式レイアウト
収納棚を中心として、互い違いになる形でデスクを配置するのがクラスター式レイアウトです。
他者と距離を取りやすいため、個人の業務に集中しやすいのが特徴といえます。
前後左右の人とコミュニケーションをとることも可能です。
中央に収納棚を設置するため、頻繁に資料を閲覧・格納する業務においてメリットが大きいといえます。
② 座席の運用方法
座席をどのように使うのかによっても、オフィスレイアウトは変わります。
座席の運用方法については主に、「固定席」「フリーアドレス」「ABW」があります。
固定席
固定席は、個人の座席をあらかじめ固定して決めておく運用方法です。
毎日、同じ人が同じ席に着くため、管理職やバックオフィス業務の社員などに適しています。
フリーアドレス
フリーアドレスは、座席を自由に選べる運用方法です。
出社した社員は、自由に好きな席に座って業務をすることが可能です。
リモートワークが多い部署や外出の多い営業職など、オフィスにいる人数が一定でない部署や、部署の垣根を越えたコミュニケーション活性化を目指すオフィスに向いているといえます。
ABW
ABWはActivity Based Workingの略称で、働く場所や時間を自由に選択できるワークスタイルを指します。
オフィス内にとどまらず、サテライトオフィスや自宅・カフェなど、自由に働く場所を選択可能です。
③ オフィスレイアウトの基準寸法
オフィスでは、安全でストレスのない環境を実現する必要があり、そのために建築基準法や消防法のほか、労働安全衛生法の3つの法律を遵守しなければなりません。
これらの法律には、社員の安全と心身の健康を守るための基準が記されています。
オフィスレイアウトにおいては、これらの基準に則って定められた基準寸法を満たす、適切な通路幅の確保が不可欠です。
オフィスの場所ごとの基準寸法は、下記のようになっています。
■ オフィスの場所ごとの基準寸法
基本の通路幅 | 600mm以上 (すれ違いが生じる場所は1200mm以上) |
---|---|
デスクとデスク間の通路幅 | 背中合わせに配置 : 1600mm以上 (できるだけ1800mm以上) 横並びに配置 : 900mm以上 |
デスクと壁の間の通路幅 | 側面側が壁 : 900mm以上 (メイン通路の場合はできるだけ1400mm以上) 背面が壁 : 900mm以上(メイン通路の場合はできるだけ1200mm以上) |
上記の表は、小規模オフィスの場合を基準にしています。
オフィスの動線を考慮しながら、適切な通路幅を確保してください。
なお、小規模で狭いオフィスでは通常の通路幅が確保できない場合があるため、下記のようなレイアウトを参考にしてください。
- 関連記事
- 基準寸法の詳しい内容については、関連記事「オフィスレイアウトの基本!基準寸法を押さえる」にて詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご確認ください。
■ 小規模オフィスの通路幅の例
- 関連記事
- 狭いオフィスの改善方法については、関連記事「狭いオフィス・デスクレイアウトを工夫して改善!6つの手順を紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご確認ください。
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オフィスレイアウトの考え方①:基本コンセプトを固める
オフィスレイアウトを考える際には、まず、コンセプトを固める必要があります。
自社の業務に適したオフィスはどのようなものなのか、持たせるべき機能や役割、目的について考えます。
その上で、コンセプトに沿ったオフィスレイアウトを検討してください。
ここでは、社員約10人前後、30坪(99㎡)のオフィスレイアウトのコンセプトと、コンセプトにもとづいたデザインについて、用途ごとに3パターンご紹介します。
① 内勤者が多いオフィスのレイアウト
内勤者の多いオフィスについて、コンセプトを「いつでもどこでも小会議ができるオフィス環境」と定めました。
下記は、このコンセプトにもとづくオフィスレイアウトの一例です。
2~3人のグループで仕事をすることが多いため、少人数で気軽に打ち合わせができるスペースを複数設置しています。
オフィスの左右にそれぞれ打ち合わせエリアを設けたことで、思い立ったとき、すぐに小会議を始められます。
また、大人数用の会議室は、社内用と社外用をそれぞれ用意しました。
社内用の会議室は執務エリアから出入りし、社外用会議室はエントランスから出入りするようにして、セキュリティを確保しています。
② 外勤者が多いオフィスのレイアウト
外勤者が多いオフィスでは、コンセプトを「外勤者が働きやすいオフィス環境」に定めました。
このコンセプトにもとづくオフィスレイアウトの例は、下記のとおりです。
外勤の社員が多いため、フリーアドレスを採用してオフィススペースを有効活用しています。
一方、内勤者向けには固定席を採用しました。
外勤者側と内勤者側にそれぞれ複合機を設置することで、印刷待ちの無駄な時間をなくしています。
なお、外勤者はオフィスの出入りが多くなります。
そのため、出入口を2ヵ所設けるとともに、通路幅にも余裕を持たせたレイアウトとしているのです。
③ セミナーなど来客が多いオフィスのレイアウト
来客が多いオフィスでは、「セミナー参加や勉強のための学習塾など、来客が多いオフィス環境」をコンセプトに定め、社員だけでなく来客も過ごしやすいオフィスを目指します。
このコンセプトにもとづいたオフィスレイアウトの例は、下記のとおりです。
来客用のセミナー室を2部屋確保する一方で、執務エリアは最小限のサイズ。
エントランスは来客者も利用するため、余裕のある配置を意識して作られています。
なお、セミナー室はレイアウト変更が容易な家具を使い、用途に応じた使い方を可能にしました。
コンセプトに沿った、来客対応に特化したデザインのオフィスです。
オフィスレイアウトの考え方②:面積配分を考える
オフィスのコンセプトを決めたら、次に執務室や会議室の必要面積を計算し、適切に配分します。
一般的に必要とされる面積配分は、下記のとおりです。
《 一般的なオフィスにおける面積配分 》
- 執務スペース : 55%
- 役員スペース : 8%
- 共有スペース(会議室、エントランスなど) : 14%
- 情報管理スペース(サーバールームなど) : 10%
- 休憩スペース : 7%
- 収納スペース : 4%
- 交通スペース(廊下などが必要な場合) : 2%
オフィスレイアウトの考え方③:空間のゾーニングを行う
オフィスの面積配分を決めた後は、それに合わせてゾーニングを行います。
ゾーニングとは、オフィス内のスペースをエリアごとに区分して、配置を決めていくことを指します。
ゾーニングによって、下記のようにオフィスレイアウトの大枠の位置関係を決めることができるのです。
一般的な面積配分にもとづくオフィスのゾーニングの例
ゾーニングの際には、オフィスコンセプトに沿って考えるだけでなく、それぞれのスペースの目的や用途についても考慮する必要があります。
具体的には、上記のように役員室を入り口から最も遠いエリアに配置します。
これは、役員室が社外秘の機密事項などを取り扱うことが多く、外部から遠いセキュアゾーンに配置する必要があるのが理由です。
一方で、来客と利用することが多い会議室をエントランス近くに配置しておくことで、執務スペースを経由しなくても出入りできるでしょう。
オフィスレイアウトの考え方④:図面化し、寸法や動線に問題がないかを確認する
ゾーニングを行ったら、実際のオフィスレイアウトとして図面に落とし込みます。
出入口や窓、オフィス家具、パーテーションなども図面に書き込んで、動線や配置、使い勝手などをシミュレートしていきましょう。
図面化したオフィスレイアウトの例
図面化の際には、図面に縮尺を合わせた人間を配置し、動線について確認するほか、扉の開閉に問題がないかといったこともチェックします。
実際にオフィスで働くことを想定しながら、綿密なシミュレートをしてください。
オフィスレイアウトの考え方⑤:法律に即しているか確認する
オフィスレイアウトを考える際には、建築基準法と消防法のほか、労働安全衛生法といった法律を遵守する必要があります。
それぞれの規定内容は下記のとおりです。
心配な場合は、専門家に相談しながら進めましょう。
オフィスレイアウトに関連する法律
法律名 | オフィスに影響する部分 | 具体的な内容 |
---|---|---|
建築基準法 | 廊下の通路幅 | ・両側に部屋がある場合 : 1600mm以上 ・片側に部屋がある場合 : 1200mm以上 |
消防法 | 施工パーテーション設置 | 個室扱いになるパーテーションを設置する場合、下記を満たす ・煙感知器、熱感知器、スプリンクラー、非常灯などを設置 ・管轄の消防署の予防課に相談と書類提出などを行う |
労働安全衛生法 | オフィス空間の広さ、照明 | ・社員1人あたり10㎥以上のオフィススペース ・普通の作業150ルクス以上、精密な作業300ルクス以上、粗な作業70ルクス以上の照度 |
オフィスレイアウトの考え方⑥:感染症対策を講じる
オフィスレイアウトを考える際は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大といった事態が起きることも想定し、感染症対策について検討する必要があります。
オフィス環境の感染症対策として有効とされているのが、下記の3点です。
《 オフィスで有効な感染症対策 》
- 人と2mの距離を取り「密接」を防ぐ
- 「密閉」空間を減らして、空気の流れを対流させる
- パーテーションなどを活用して「密集」箇所を減らす
下記は、この3点を小規模オフィスで実現したレイアウトの例となっています。
面積に限りがある小規模オフィスにおいて感染症対策するためには、働き方に応じて働く場所を選べるオフィスレイアウトが適しています。
フリーアドレスを採用し、集中ブースや個別ブースなどを設けて、距離を取りながら働けるオフィスをデザインしました。
おしゃれな小規模オフィスのレイアウト事例
オフィスレイアウトは、さまざまな事例を見ることで、イメージが膨らみやすくなります。
最後に、オフィスコムが手掛けた、おしゃれな小規模オフィスのレイアウト事例を見ていきましょう。
用途別にエリアを分けたメリハリのあるフリーアドレスオフィス
他部門との交流を活性化するために、フリーアドレスを導入しました。
窓際の座席やテーブル席など気分に合わせて働く場所を選べます。
併せて、コミュニケーション活性化のためのテラス席や、ガラスパーテーションで区切られた解放感のあるミーティングスペースも新設しています。
倉庫だった空間をゾーニングし、おしゃれな執務スペースに
殺風景だった倉庫を、木目×ホワイトの明るくおしゃれなオフィスに大胆にリノベーションしました。
印象的な天井植栽と黄色味の強い照明が、リラックスできる空間を作り出しています。
同時に、シンプルなミーティングスペースと遊び心のあるフリースペースも新設。
こちらも、木目×ホワイトを基調にして、雰囲気を統一しています。
座席数を確保しても閉塞感のない、広々としたオフィスを実現
BPOセンターを開設するにあたって、座席数の多さと閉塞感を感じさせないオフィスづくりの両立を目指しました。
間仕切りにガラスパーテーションを利用することで、必要な仕切りを確保しながら見通しが良く、広々としたオフィスを実現しています。
コミュニケーションのとりやすさも意識した執務スペースは、業務効率にも配慮して作られています。
利便性とデザイン性の両立を図ったオフィスに
新富士駅構内のコワーキングスペースであることから、「富士山」を表現する空間デザインが特徴的なオフィスとなっています。
「逆さ富士」をモチーフにした木材を天井から組み上げることで、印象的なシンボルを作り出しました。
富士山を囲むワークスペースのほか、集中ブースやソファブースも設置し、用途に応じて使い分けられます。
フレキシブルに働けて、リフレッシュスペースも充実
執務スペースの中に、カウンター席や長机の座席のほか、正方形の机の座席、個室ブース、リフレッシュエリアと、さまざまな形状のエリアを混在させました。
異なる形状の座席を用意することで、フレキシブルに働けます。
気分転換につながる本棚も設置したことで、オン・オフの切り替えをしながら、集中して業務に取り組めるオフィスになっています。
背面式レイアウトで集中できる執務スペースに
深い色合いの木目調を採用した、落ち着いたオフィスです。
目の前が壁になる背面式レイアウトで、集中して自分の業務に取り組める環境を作りました。
隣席の社員と会話をしたり、1つのディスプレイを複数人で見ながら打ち合わせをしたりといったコミュニケーションもとりやすい配置です。
まとめ|オフィスレイアウトはコンセプトから作り込むことが大切
オフィスレイアウトは、社員の働きやすさを最優先に考えて検討しましょう。
働きやすいオフィス環境は、業務効率の向上やコミュニケーションの活性化といった企業のメリットにもつながります。
その上で、業務内容やオフィスの在り方に合わせたコンセプトを定め、ゾーニングを考えてシミュレートしなければいけません。
通路の幅やデスクの広さなどにも留意が必要です。
しかし、さまざまな要素を考えなければならないオフィスデザインは、社内だけで検討するのが難しいといえます。
そのようなときは、オフィス移転トータルサポート会社オフィスコムに、お気軽にご相談ください。
オフィスのコンセプトや用途、面積、ご予算などに合わせた提案を行い、お客様に最適なオフィスを実現します。
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